世界には、あなたの心を癒すメンタルヘルスの方法があった

世界のメンタルヘルス ストレス解消方法

頑張ってるのに、心がついてこない。そんなふうに感じる日が、私にはあります。
ストレスをなんとかしたくて、気分転換やリラックス法をいろいろ試してみたけれど、うまくいかなかったことも…。

「こういうとき、世界の人たちはどうしてるんだろう?」
そんな小さな疑問から、世界にあるメンタルヘルスのための方法を調べはじめました。

すると、心の健康を整えるための優れた実践法があることを発見。
それぞれの国や文化が大切にしてきた“心の整え方”には、優しさと知恵がたっぷり詰まっていて、なんだかとてもステキなんです。

この記事では、「世界のメンタルヘルスの方法5選」をご紹介します。
どれも、ストレスをためない生き方のヒントになるものばかり。

今、少しでも「ほっとしたいな」「心をゆるめたいな」と思っているあなたへ。
この中のひとつでも、あなたの心を癒やすやさしいヒントになりますように。

世界のメンタルヘルス実践法5選
1. 「ニクセン(Niksen)」(オランダ)
2. 「シス(SISU)」(フィンランド)
3.   冷水浴・冷水泳(イギリス他)
4. 「ヒュッゲ(Hygge)」(デンマーク)
5. 「ラゴム(Lagom)」(スウェーデン)

 

世界のメンタルヘルス実践法5選丨心を整える各国の知恵とは?

世界各地に根づいているメンタルヘルスの実践方法。調べてみると、その国の風土や文化を背景に、独自の方法が発展していて、それぞれに興味深い特徴がありました。
ここでは、注目されている世界のメンタルヘルス向上法を紹介します。

1. 「ニクセン(Niksen)」(オランダ)丨意図的に「何もしない」ことの力

オランダ

オランダ発の「ニクセン(Niksen)」は、「何もしない」ことを意味します。
具体的なやり方は、目的を持たず、ぼんやりと過ごす時間を意識的に持つこと
生産性を求めず、ただ「あるがまま」に過ごすことで、心と体をリセットさせます。

ニクセン(Niksen)の実践方法

ステップ1:何もしない時間をつくる
5〜10分でもOK。スケジュールに“あえて何もしない時間”を入れてみましょう。
ステップ2:スマホ・テレビを手放す
刺激のある情報は思い切って遮断。静かな空間や自然の中で過ごすことが理想です。
ステップ3:目的のない過ごし方をする
特に目的や生産性を求めず、単に存在することに焦点を当てます。
たとえば:
・窓の外をぼーっと眺める
・雲の動きを見る
・ろうそくの火を眺める
・公園のベンチで座るだけ
ステップ4:罪悪感を手放す
「何もしない=ムダ」ではありません。心の回復のために必要な “余白をつくる”と捉えましょう。

ニクセン(Niksen)の効果

  1.  ストレス軽減と心の回復

何も考えずに「ぼーっ」とすることで、脳が緊張状態から解放され、深いリラックスが得られます。
仕事の休憩時に、数分間でもニクセンを実践すると、ストレスレベルが低下し、幸福感が増加することが報告されています。

  1.  創造性の向上

意図のない時間を過ごすことで、脳は自由にアイデアを巡らせるため、創造性が高まり、問題解決能力が向上すると言われています。

  1.  集中力の回復

脳に「何もしない時間」を与えることで、次の集中の質が上がるという研究結果もあります。

  1.  自律神経の調整

ゆったりした時間は交感神経の働きを抑え、副交感神経を優位にし、心身のバランスを整えます。自然と呼吸が深まり、心に余裕ができ、実際には生産性の向上にもつながります。

参考サイト:[TIME] Niksen Is the Dutch Lifestyle Concept of Doing Nothing—And You’re About to See It Everywhere

知っておきたい注意点

  • ニクセンはマインドフルネスと違い、“今ここに集中”しなくてもOKです。
    マインドフルネスが「今この瞬間に存在すること」であるのに対し、ニクセンは単に「存在するための時間をつくる」ことを大切にします。
  • 眠ってしまってもOK。あくまで「頑張らない時間」をつくります。

忙しい1日の中で、自分のために一息つけるリラックスした時間をつくること。それが、ニクセンの実践法です。

 

2. 「シス(SISU)」(フィンランド)丨 内なる強さとレジリエンス

フィンランド

フィンランドの「シス(SISU)」は、フィンランド流の“折れない心”の哲学。
フィンランド人のアイデンティティ、その核心部分を表す概念です。困難に直面しても、諦めずに前に進み続ける内なる力を表しています。

「世界幸福度ランキング」で、フィンランドが常に上位にランクインしている背景には、このシス(SISU)の精神が大きく影響していると考えられているんです。
そして今、国際的にもシス(SISU)はフィンランドの「幸せの秘訣」として注目されています。

シス(SISU)の考え方とは

・「強い人」とは、感情を抑える人ではなく、自分の感情と共に進める人。

・「諦めないこと=無理をすること」ではない。本当に大切なことだけに力を注ぐ。

・他人と比較せず、自分自身の成長に焦点を当てることを大切にする。

・完璧を目指すのではなく、失敗からも学ぶ姿勢を大切にする。

・大きな変化を一度に求めるのではなく、小さな日常の積み重ねを大切にする。

シス(SISU)の実践方法

ステップ1:“あと一歩”を意識する
SISUは、自分を追い込むことではなく、内なる強さを育むことです。
「もう限界かも…」というとき、「あと1回だけ」続けてみる。この積み重ねがSISUです。
例:
・ランニングであと100mだけ走る
・苦手なことをあと5分だけ続けてみる
・断られても、もう1回だけチャレンジしてみる
ステップ2:自分の「なぜ」を見つめる
SISUは、目的と価値観に基づいた持久力です。
「なぜそれをやっているのか?」を見つめることで、力が湧いてきます。
ステップ3:感情に飲まれず、自分を観察する
SISUは静かで内面的な強さです。感情的になるよりも、「今、自分はどういう状況か?」と冷静に観察する習慣が役立ちます。
ステップ4:日常で小さな挑戦を積み重ねる
「勇気がいるけど、小さな一歩を踏み出す行動」を習慣化することが、SISUを育てる近道です。

シス(SISU)の効果

  1.  レジリエンス(心の回復力)が高まる
    

    シスを意識することで、困難に直面したときにも「乗り越える力」を育てることができます。

  1.  継続力と粘り強さがつく
    

    諦めそうになるときに「もう一歩だけやってみよう」と思える精神が、自信につながります。

  1.  自己効力感の向上
    

    「自分にはできる」と思える小さな成功体験が積み重なり、自己信頼が育ちます。

  2.  ストレスに強くなる
    

    内面的なタフさが強まることで、外部からのプレッシャーや不安に振り回されにくくなります。

日本の「根性」とフィンランドの「シス(SISU)」の違い

SISUは、無理しない“しなやかな強さ”のこと。我慢ではなく、“心の深いところから湧く粘り強さ”です。日本の「根性」とは、次にような違いがあります。

日本の「根性」は、外からの期待に応えようと「無理を押して頑張る」ことが多い。
SISUは、自分の価値観に基づき「本当に大切なことにだけ力を注ぐ」ことをめざす。

SISUは単なる理論ではなく、日々の行動を通じて培われる生き方です。
興味があったら、これらの実践法を取り入れ、フィンランド人が大切にしてきた「折れない心」の育み方を体験してみてください。

参考サイト: [Psychology Today] Sisu: The Finnish Secret of Inner Strength and Resilience

 

3. 冷水浴・冷水泳(イギリス他)丨冷たい水の治癒力

冷水泳

冷水に浸かることや冷水での水泳は、メンタルヘルスの向上に効果があるとされています。
イギリスでは「ワイルドスイミング(自然水泳)」として、湖や海で行われることも多く、健康とマインドフルネスを同時に叶える方法として注目されています。

実践方法(初心者向けステップ)

ステップ1:冷たいシャワーから始める
まずは30秒〜1分間、最後に冷水シャワーを浴びる習慣を。慣れてきたら徐々に時間をのばします。
ステップ2:バケツに足を入れてみる
足湯の逆バージョン。冷たい水に足を浸すだけでも全身に刺激が伝わります。
ステップ3:自然の水での“プチ冷水浴”
湖、海、川などでのワイルドスイミングは大人気。最初は5分以内を目安に、安全第一で。
ステップ4:呼吸を整えて、無理をしない
冷たさに慌てないよう、ゆっくりと深い呼吸を意識。心拍数が落ち着き、リラックスにつながります。

実践時の注意点

・水温が低いほど効果が高いわけではなく、安全な範囲で実践することが重要
・体調が悪いときは避ける
・単独で行わない(特に野外)
・長時間は避け、体を冷やしすぎない
・上がった後はすぐに体を拭き、ホットドリンクや毛布などで体を温める

冷水浴・冷水泳の効果

  1.  ストレス解消&気分の改善

冷水に入ることで、心がシャキッとして、気分が晴れやかになります。
研究では、カテコールアミン、ノルエピネフリン、エンドルフィンのレベル上昇が確認されています。

  1.  免疫力の向上

繰り返し冷水に触れることで、体が適応しやすくなり、風邪を引きにくくなります。

  1.  血行促進・冷え性改善

冷水に入ると血管が収縮し、出た後に拡張することで血流が良くなります。これは“自然なポンプ運動”です。

  1.  集中力・メンタル強化

一瞬の冷たさに意識を向けることで、マインドフルネス状態に入り、雑念がリセットされます。

  1.  回復力アップ(運動後にも)

筋肉の回復を促すため、アスリートにも人気。炎症や疲労の軽減にも効果が期待されています。

「大うつ病性障害と不安症状をもつ24歳の女性が、週に1回の冷水泳プログラムを試したところ、各泳ぎの後に気分が即座に改善し、うつ症状が持続的かつ徐々に軽減、その結果、投薬が減少し、最終的には中止された」という事例も報告されています。

参考サイト:[PMC] Open water swimming as a treatment for major depressive disorder

 

4. 「ヒュッゲ(Hygge)」(デンマーク)丨今ある幸せを、ちゃんと感じること

デンマーク

デンマーク発の「ヒュッゲ(Hygge)」とは、心の安らぎや幸福感を大切にするライフスタイルです。「Hygge(ヒュッゲ)」はデンマーク語で、「居心地のよさ」「くつろぎ」「心が温まるひととき」という意味。
家庭で居心地の良い環境を作り、自分への思いやりの実践と、小さな喜びを味わうことに重点を置く暮らし方をいいます。

ストレス社会を生きる私たちにとって、とても参考になる考え方です。

ヒュッゲ(Hygge)の実践方法(すぐできること)

1.温かい飲み物、キャンドル、柔らかい毛布などを使って、心地よい空間を作る
キャンドルや照明を使ったやわらかな光、落ち着いた空間、心地よいと感じるクッションや毛布などに包まれて、ゆったりとした時間を過ごします。それが安心感を生み、くつろぎの空間をつくります。お気に入りのマグカップでココアや紅茶、コーヒーなどをゆっくり味わいましょう。
2.家族や友人との質の高い時間を大切にする
特別なイベントでなくてもOK。おしゃべり、ボードゲーム、料理など、何気ない時間を共有することがヒュッゲの本質です。
3.スマートフォンやデジタル機器から離れて、人間関係に焦点を当てる
読書や手帳タイム、編み物など、デジタルから離れて過ごすこともヒュッゲ的な時間の作り方です。

ヒュッゲ(Hygge)の効果

  1. ストレスの軽減

家庭での居心地の良い環境を作り出すことで、ストレスを軽減します。

  1.  幸福度の向上

自己への思いやりの実践と、小さな喜びを味わうことに重点を置きます。そうした生活の中では、ささやかな幸せに気づけるようになり、幸福感が高まります。

  1.  人間関係の深まり

家族や友人と過ごす時間を大切にすることで、信頼や絆が深まります。

  1.  マインドフルネスの実践

「今ここ」に意識を向け、五感を通して目の前の瞬間を味わうことができます。


ヒュッゲはメンタルヘルスに良い影響を与え、自己ケア、感謝、マインドフルネスと幸福感に関連しています。

参考サイト:[My Online Therapy] What is hygge – and why is it good for mental health?

 

5.「ラゴム(Lagom)」(スウェーデン)丨“ちょうどよく”を選べば、本当の豊かさを生むという知恵

スウェーデン

「ラゴム(Lagom)」はスウェーデン語で、「多すぎず少なすぎず、ちょうどよい」という意味。そこから、生活のあらゆる面でバランスと適度さを追求する考え方を、「ラゴム」と表現するようになったようです。

「“ちょうどよく”を選ぶことが、本当の豊かさを生む知恵」といってもいいでしょう。
頑張りすぎなくてもいい。モノを持ちすぎなくてもいい。
完璧ではないけど、今の自分にちょうどいい。
そんな心のあり方をベースにした暮らし方が、心を穏やかにしてくれます。

デンマーク発の「ヒュッゲ」が心のぬくもりを大切にするのに対して、「ラゴム(Lagom)」は“ちょうどよさ”を追求する点が特徴といえるかもしれません。

無理せず、自分にも地球にも優しい生き方として、今注目されています。

ラゴム(Lagom)の実践方法(すぐできること)

1.モノを「持ちすぎない」暮らし
「少なすぎず、多すぎず、ちょうど良い」という哲学に従ったライフスタイルを大切にします。
断捨離ではなく、“必要なだけを持つ”こと。
自分自身や周囲の人々の、基本的なニーズを満たすことに焦点を当てます。
2.仕事とプライベートのバランスをとる
長時間労働を避けて、家族や自分の時間を大切にします。週末は「オフ」をしっかり楽しむことも忘れません。
過剰な消費や仕事のしすぎを避け、持続可能な生活習慣を築くことを大切にします。
3.自然素材やエコなものを選び、食事も“ちょうどよく”
ファストファッションではなく、長く愛せるアイテムを少しだけ持つ意識を大切にします。
食事では、オーガニックや地元の食材を意識しつつ、過剰なダイエットや暴食を避けます。
シンプルな喜びを大切にし、満足感を高めることを大切にする考え方です。
4. 感情も「ほどほどに」受け止める
ポジティブすぎず、ネガティブすぎず。感情に振り回されない“安定した心”を育てることを意識します。

ラゴム(Lagom)の効果

  1.  ストレスの軽減
    

    “やりすぎない”ことを大切にするため、プレッシャーから解放され、心に余裕が生まれます。

  1.  持続可能な幸福感
    

    一時的な快楽ではなく、長く続く心地よさを目指すため、心が安定します。

  1.  自己肯定感の向上
    

    “完璧”よりも“ちょうどよい”をよしとすることで、自分を無理なく認められるようになります。

  2.  地球にやさしいライフスタイル
    

    シンプルで無駄のない暮らしは、エコでサステナブル。環境への負担も軽くなります。


ラゴムは、マインドフルネスと密接に関連しており、バランスを持って生きることでメンタルヘルスを向上させることができます。

参考サイト:[Inspire Malibu] Lagom: The Swedish Philosophy of a Happy Life Balance

 

まとめ丨世界のユニークなメンタルヘルス方法に、あなたに合う癒しが見つかるかも?

穏やかな心

私たちの心は、日々の暮らしの中で、知らず知らずのうちに疲れてしまうことがあります。
だからこそ、「どうすれば自分らしく、穏やかに生きられるのか」を考える時間は、とても大切です。

今回ご紹介したように、世界にはメンタルヘルスのためのユニークな方法がたくさんあります。どれもその土地で育まれた、人間らしい癒しの知恵です。

世界にあるさまざまなメンタルヘルスの方法をヒントに、あなたにとって心地よいメンタルヘルスのアプローチ方法を見つけてみてください。
もしかすると、自分でも気づいていなかったストレスの正体に気づけるかもしれません。

おつかれちゃん

少しずつ、自分を大切にする毎日へ。
このブログが、その最初のきっかけになれたなら嬉しいです。

 

 

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